みんなが納得する金額を決めるために、以下の5つのポイントを意識しておきましょう。
いくら計算上は公平でも、引き継ぐ人にそんな大金が払えなければ意味がありません。手元の預金を使うのか、保険金をあてるのか、あるいはローンを組むのかなど、現実的な資金計画が大切です。
「きっちり半分」にこだわりすぎると、かえってもめることもあります。「長年親の介護をしてくれたから」「家業を支えてくれたから」といった事情を考慮して、少し金額を調整するなど、お互いの思いやりも円満解決の秘訣です。
不動産の価値を測るモノサシにはいくつか種類があります。
● 相続税評価額:税金の計算に使う基準(実際の価値より低め)
● 時価:実際にいま売ったら売れる価格(市場価格)
どちらをベースに代償金を決めるかは自由ですが、もらう側・あげる側の不公平感をなくすために、実際の売買価格に近い「時価」をベースに話し合うケースが多いです。
分け方を一歩間違えると、思わぬ税金がかかってしまうことがあります。
● 後述する「遺産分割協議書」に『代償分割のために支払う』と書かないと、税務署から「ただのプレゼント(贈与)」とみなされて贈与税がかかることがあります。
● 代償金の代わりに「自分がもともと持っていた別の不動産」を渡したりすると、それに税金(譲渡所得税)がかかることがあります。
話し合いがまとまったら、必ず「だれが・だれに・いくらを・いつまでに・どうやって支払うか」を細かく書面に残しましょう。口約束だけだと、後から「そんな話は聞いていない!」とトラブルになりがちです。
実際に、よくあるきょうだい2人のケースで計算してみましょう。
🏠 家族の状況と遺産
● 相続人:長男・長女の2人(平等に半分ずつ分ける予定)
● 遺産:実家(時価 5,000万円)、預金(1,000万円)の合計 6,000万円
● 分かち合い方:長男が実家(5,000万円)をもらう
1. 本来の1人分の取り分:合計6,000万円 ÷ 2人 = 3,000万円
2. 長男のもらいすぎ分:実家5,000万円 − 本来の取り分3,000万円 = 2,000万円
長男が実家をそのまま引き継ぐ代わりに、長女に支払う代償金は2,000万円になります。これで2人とも「3,000万円分ずつ」になり、ぴったり公平ですね!
代償分割をしても、全体の税金が増えるわけではありません。支払う側と受け取る側で、相続税の対象になる金額を調整します。
● 支払う人(長男):もらった財産の金額 − 支払った代償金
● 受け取る人(長女):もらった財産の金額 + 受け取った代償金
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